2013年7月1日月曜日

フォードA型エンジン機関車(前)

ここ数年、6月初旬に東北地方に行くついでに長距離ドライブもしています。今年は全く意図していなかったのですが「フォードA型エンジンを搭載した機関車」を複数見ることが出来たので記事に残そうと思います。

◆◆◆鶯沢町鉱山資料館 ◆◆◆

宮城県栗原市にある小さな機関車です。参考にしたのは【編集長敬白アーカイブ(細倉の“ABC”。)】 この記事が無ければ私は存在すら知らなかった筈です。エンジンの写った写真も掲載されているので詳しくはそちらをご覧くださいまし。なお、私では掲載写真からはA型かB型か区別がつきませんが、未掲載のディテール写真が沢山あっての断定でしょうか。ぐぬぬ、もっと観たい!
 
ABC 機関車 Ford Model A locomotive
ボンネットの長さがほぼエンジン長というなんとも魅力的な機関車。現場ではエンジン本体を見る事はできませんが、もし予備知識が無かったとしてもミッションの形からフォード搭載とは判断出来たと思います。見るからにエンジンありきの「メカ・ミニマム」な上に「マン・ミニマム」(笑)な専用設計なので、中古エンジンの流用等ではなくフォードAあるいはBの現役当時物じゃないかと思います。

クラシカルなスタイルもあってか感覚的には2tバテロコより小さく感じました(実際どうか分かりません)。何れにしろ驚くほど小さい「謎の機関車」は興味深いですね。大きい模型で欲しいです・・・。

この鉱山資料館は過去に何度か行った鳴子温泉からは15km位の位置なのに存在を知らず勿体ない事をしていました。今回は仙台から一般道で行った為に片道2時間掛かりましたから。

電気機関車 ED202
2013年現在の状況。今は屋根付きで静態保存されています。
↑オマケ、近くには栗原電鉄・細倉マインパーク前駅(2007年に廃駅)があり、そちらには電気機関車ED202が展示されていました。

◆◆◆那珂川清流鉄道保存会◆◆◆

栃木県那須烏山市、昨年、突如存在が明らかになった凄まじい数の鉄道コレクションです。

6月15日当日、昼食中にネットをチェックすると、この日に『初のミニイベント』が行われるとありビックリ!3日前にテレビ「ナニコレ珍百景」で紹介される事に合わせて放送前日に慌ただしく告知していたようです。私は施設が公開されているのかさえも知らずに向かっていたので渡りに船、これは本当に幸運でした!

なお、当日は地元の方もキツいと言う猛暑で道産子の私は蒸発しかけましたが、それでも施設の雰囲気はなんともユルユルで居心地が良かったです。料金所に人がいなかったり(ちゃんと後で払いましたよ)、事務所には生まれたばかりの9匹の子猫がいたり(笑)

どうでもいいけれど、札幌ナンバーの車を駐車場に停めるのは超マニアが遥々来たみたいでちょっと恥ずかしかった(誰も見てないだろうけどw)。

東鉄運輸 加藤 3トン GL
SKW(酒井)グリルの付いた加藤製作所製3トンです。外見はともかく、私にとって理想型である「加藤、3トン、海軍台枠、フォードエンジン」の4条件が揃っている可能性の高い車両です。残念ながらエンジンが見えないので「可能性」となりますが、ミッション形状やグリルの位置から推察するにそんな気がします。排気管も右側にあるので問題ないし・・・もっとも、この排気管は長く延びているのかダミーなのか妙に後方・・・。

元の東鉄運輸にあった頃はどんな状態だったのでしょうか。こういう産業用機関車は実際に使用される過程で大胆に改造されたりしますが、海軍仕様の痕跡は勿論の事、改造過程を知る事も資料として重要なので、できるだけそのままの姿で見たかった気もします。

東鉄運輸 加藤 3トン GL
手書きされたミッション段数、自走可能か!?
↓ついでにもう1両の加藤3トン。 当初私は勘違いしていましたが、こちらがかつて蔦屋建設にあった3両中の1両で、気になる海軍マークはココで復元したものだそうです。 という事は、蔦屋建設に有った本物の海軍マークの個体ではなく、かと言って1両有った憧れのフォードエンジンでもない『残りの1両』(身勝手な言い方w)のようです。確かにボンネット横の張り出しの傾斜が大きいという特徴が残っています。

ただ、元々のグリルはこんなに低くなく、ボンネットは水平だった筈ですし、キャブも復元しすぎな感じで蔦屋建設時代とはまるで別物に見えます。もしかすると入手時点で既に鉄くず化して壊れていたのかもしれませんが、ちょっと悲しいですね。一説によるとまだ他に3トンを所有されている様なので本来のスタイルの公開が期待されます。


 ◆◆◆◆◆◆

フォードA型とは

フォードのA型「乗用車」はかの有名なT型フォードの後継車で、1927–1931年の短い期間に約485万台が生産されました。エンジンは3.3リッターで、サイドバルブ4気筒は同社得意の信頼性の有るものでした。次の1932年型フォードからはV8エンジンが搭載されるのですが、4気筒版もB型として併売されています。AとBのエンジンは細部は異なりますが基本的には同じ物といって良いでしょう。

アメリカでは禁酒法時代のギャング映画に必ず出てくるほどのお馴染みですが、ソ連ではGAZ-Aとして1932-1936年に一世代遅れで生産されたようです。ヨーロッパ(イギリス・ドイツ)では課税の都合で排気量を減らしたバージョンが作られ、日本では横浜で組み立てられた物が大阪のシボレーと市場を二分するように普及し、これがアジア向け輸出モデルにもなっていた様です。

このように「フォードA型乗用車」は世界中に見られた訳ですが、完成車体以外にも、エンジン単体の供給やGAZ(AA及びAAAトラックは勿論、装甲車など軍用車両にも使用)も考えると、「A型のエンジン」の使用例、生産数・生産時期などなど、それらの全てを知る事は困難といえる程に多岐にわたると思います。


個人的には・・・、以前からフォードA型エンジンには興味がありました。1/25プラキット等を参考に1/35スケールのエンジンをスクラッチしたり、同系のフォードB型エンジンを搭載するロシアン・ ジープ「GAZ-67」のディテール写真集に萌えたり・・・。製作中のCAD加藤もフォードエンジンありきで進めています。

 ところが、このエンジンを意識するようになって10年以上経ちますが、今年の春に見つけた「謎のトラクター」までは実際に見る機会は有りませんでした。そして今回の旅で一気に複数を見られて大喜びしているというわけです。


大正期のトラクターですが結構大掛かりな改造がされています。
なお、記事が長くなった為に前・後編に分けていますが、もしSKWグリルの加藤がフォードエンジンでなかった場合は、今回は該当するのが1両のみで非常に間抜けな記事となります(笑)

フォードA型エンジン機関車(後)に続く・・・ 


軽便鉄道系リンク
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フォードA型エンジン機関車(前)
フォードA型エンジン機関車(後)
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