今回紹介しますはプジョーVLVです。 ドイツ占領下のフランスで生産された2座席の電気自動車で、一見すると3輪車ですが正確には後輪トレッドが極端に短い4輪車です。1941~45年の間に337台の生産。
あの、他社に先駆けて大胆な流線型市販車を作っていたプジョーが・・・と思うと可愛らしいスタイルも少々悲しく見えてくる、そんな歴史の証人的な一台と思います。
作りも見た目どおりの簡素な車で、左ヒンジのボンネットを開けると内は大きなバッテリー4個で占められていて、デフケース直結のモーターで後輪駆動して最高速度たった30km/hで走るという代物です。
Hachette/Norev Peugeot VLV 1941 1/43 |
この1/43のミニカーは、07年にフランスのミニカー付き雑誌の2誌、アシェットの【プジョー・コレクション】と、アトラスの【郵便配達車】からそれぞれのバージョンで発売され、その後ノレブから幾つかのカラーバリエーションが単品発売されたようです。
私はアシェット版を海外通販で何とか入手したのですが、付属ベース以外はノレブから出たものと全く同じで少し悔しいです(笑) 同シリーズには他にも欲しいのがあったのに選択間違えたかもしれません(苦笑)
モデル化されているのは、ドアの高さが少し高い後ろヒンジの型・・・というか普通の生産型。いや、雑誌では試作型か極初期型と思われる写真が表紙等に使われていて、一瞬そっちが普通かと勘違いしてしまいました。
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未完成 CCC Resin Model Kit Peugeot VLV 1/43 |
CCC & Norev Peugeot VLV 1/43 |
余談
●パリ近郊の工場で細々生産されたようです。生産が45年までという事は、プジョーの主要工場であるソショー工場が43年に爆撃で壊滅した後も生産出来たという事ですね。
●運転席と助手席が少し前後にずれたタイプで、フジキャビンやマクラーレンF1(^_^;)なんかを連想します。
●シート座面が低いため、乗員は座椅子のように足を前に伸ばして座るようです。
●戦後のイセッタやハインケルも3輪風の4輪キャビンスクーターでした。ただし、3輪車が税制上有利になるイギリスでは3輪で発売されました。もしかしてプジョーVLVはドイツがイギリス占領した後に売れるような設計だった?(笑)
●プジョー・コレクション誌と、郵便配達車誌は、このVLV意外にも魅力的なモデルが有って目移りしそうでした。いや・・・郵便配達車ではベスパ・アペに浮気してVLVは買わなかったんでした(笑)
モーターが600Wならミニカー登録出来そうですが・・・。(笑)
返信削除時代的に燃料の入手が大変だったので・・・とも考えましたが、製作工程が簡易に済むも捨てがたい。軸配列からパンクもしにくく維持が楽もか・・・。
某有名スポーツカーの限定生産ほどの数なのに、ずいぶんと残っているようで・・・。
コーナリング性能も知りたい。動画はあるのかなぁ?
旧スコルパがトライアル車ベースの四輪を作ってミラノショーだったかでお披露目しましたが、フランス人が考える事は分からん。(爆)
調べたら12Vバッテリー4個で48Vというのは現在の電動スクーターと同じなんですね。
返信削除同じ設計でも今のバッテリーを積めば最高速度30km航続距離80kmは相当伸びるでしょうね。ミツオカあたりがレプリカを出さないかなぁ(笑)
そう、ドイツ軍のガソリン不足は超深刻で、ガソリンは市民に回らない状況でしょうね。何とか電動でやりくりしようとすると、非力なサイクルカーやキャビンスクーターと同様な車作りになるんでしょうな。
えー、4輪のトライアル車は実用性がガタ落ちの気がします(笑)不整地でのATVの急ハンドルは2輪には大迷惑、そんなの出て変なブームになっても困りますね(願)