西武新宿線は田無駅から真っ直ぐ徒歩8分、まわりは住宅街でしたが、生態調和農学機構は農場と年代物の建築物がのんびりとした雰囲気を醸し出して良い所でした。木陰は涼しくて気持よかった・・・。博物館は古い牛舎の1つを改装した小規模な物です。
ちなみに「はるばる北海道から東京まで古トラクターを見に行ったのかバカめ」と言われかねないので書きますと、あくまで東北旅行したついでに福島の新白河駅から新幹線で往復したもので、「設定上は」もののついでに行ったのです(笑) ここは火、金の週2日公開というスケジュールを合わせるのが難しい所であるので変則的な旅になりました。
ビクターオート・チェリートラクタ CT101
お目当ての一番手がこのチェリーでした。企画展「耕耘用機械の発達史」として3種類の耕耘方式が揃い踏みする中の、ロータリー作業機の例として展示されているのです。(→ちなみに写真奥がスクリュー式、手前がクランク式)
個人的にこのタイプのチェリーが好きで実車を観るのは多分5台目になりますが、この農場博物館サイトでCT135型という謎の型番で紹介されていたため余計に興味を惹かれた個体です。
というのも私の理解する限り、これを最初に製造した神農工社版がCT10型(旧ブログ参照)で、間もなくビクターオート社の生産に移りCT101型と型番が更新されている筈で、135という後期の型が存在するのであれば違いを知りたいし、あるいは135という数字はエンジンの型番なのでその混同ではないか、銘板が読めれば確かめたいと興味を持ったのです。
・・・・CT101G
館内には東大フィールドボランティアの説明員さんが数名居られるので、銘板を見てもらうようお願いしたところ、読めない(日陰になっているので)との事で写真に撮って確認しました。その結果1958年製、CT101Gと打刻されている事が分かりました。7桁の製造番号の意味は良くわかりません。
とにかくCT135ではない事が分かりましたが、CT101Gの【G】が付く銘板も始めて観たので一寸した収穫といえます(現在は東大農場のHPでも修正されています。)
ちなみに上富良野の土の館収蔵のCT101は同じ1958年製で製造番号が60少ないだけの機体ですがGは付きません。この間にマイナーチェンジしたというよりも併売されたバリエーション、グレード違いの一つではないかと思います。
ついでに、エンジンの銘板も読めたので記しておくと、同じく1958年製で 、型番135、製造番号50xxxでした。
このスチール135ディーゼルエンジンはビクターオートがライセンス生産したもので、農発として単体でも発売され、後にはイセキのトラクターと耕耘機にも搭載されています。しかし、1958年時点で5万代の数まるまる全部が製造数とは思えないので何らかの独自のカウント法則があるのでしょう。ちなみに上で触れた土の館の個体では、エンジン型番135Cと【C】が付き、製造番号57xxxと逆に7000位上も多いです。ただし銘板デザイン自体が異なり製造年が分からないので後に積み替えた物かもしれません。
この個体に何か特徴は有ったか・・・
といわれると特に無いのですが、ふと気づいたのは空冷エンジンを覆う導風ケース「シュラウド」のディテールです。
このエンジンの初期の物はシュラウドにSTIHL DIESELとメーカー銘が陽刻モールドされています。銀色なので軽合金の鋳物かと思うのですが、それとは別に、黒く塗られたシュラウドにエッチング板のSTIHLマークがリベット止されたバージョンがあります。コチラはおそらく低コスト化された後期の型で、鉄板プレスでできていると予想しました。
で、この個体では、エッチングのロゴマーク版なのですが、シュラウド自体は銀色の観た記憶のない組み合わせ。
実は撮った写真をよく見ると僅かに塗装らしきものが残っていました。軽合金に黒の塗装をして大半が剥がれてしまったのでしょう。どうでもいいけどただの鉄板じゃないんだヘェ~って感じです。あと初期は陽刻モールド版ですが、これが後の型にも見受けられたりして今のところチョットした謎なのでありました。
STIHL DIESELが陽刻モールドの例 |
こちらのはSTIHLマークが金属プレートでした |